心身の健康

大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート

2019年11月に公表された単純集計結果の報告書をもとに、特に重要なものをこのウェブサイト用に抜粋し簡潔に紹介しています。設問をグループごとにまとめ、回答者の基本状況、心身の健康、性のあり方(SOGI)、経験、性についての考えの5つに分類しています。

心身の健康について

ここでは、心と身体の健康についてたずねた部分を抜粋して紹介しています。ウェブ版では、喫煙習慣と飲酒頻度、最近1ヶ月の心の状態についての主観的自己評価、自殺未遂や希死念慮についての結果を示しています。

自身の性的指向や性自認が周りとちがう、つまり性的マイノリティであるという自覚と心身の健康には、関連があることがこれまでの調査でもわかっていますが、このアンケートの設問では、さらに性的指向や性自認によるちがいを細かく見たり、性的マイノリティでなくても関連があるかどうかを確かめたりする目的で設定しています。

【問14】喫煙有無と頻度

問14で煙草(タバコ)を吸っているかをたずねたところ、「毎日吸っている」人は17.8%、「ときどき吸う日がある」人は2.3%で合わせて20.1%でした。7割(71.7%)の回答者は「吸わない」と答えました。[回答者数:4,285人]

【問15】飲酒有無と頻度

問15で「あなたは普段お酒を飲みますか」とたずねたところ、「ほとんど毎日」と答えた人がもっとも多く21.6%、次いで多いのが「週に数回」と答えた人で17.2%です。また、月1回以上飲む人の割合は6割台(63.8%)です。[回答者数:4,285人]

【問18】最近1ヶ月のこころの状態

問18では最近1ヶ月のこころの状態を、「神経過敏に感じましたか」、「絶望的だと感じましたか」、「そわそわ、落ち着かなく感じましたか」、「気分が沈み込んで、何が起こっても気分が晴れないように感じましたか」、「何をするのも骨折りだと感じましたか」、「自分は価値のない人間だと感じましたか」の6つの項目でたずねました。どの項目についても「まったくない」と答えた人がもっとも多く、逆に「いつも」あるいは「たいてい」と答えた人が少なくなっています。

「いつも」、「たいてい」、「ときどき」を合わせた割合が比較的高いのは、「気分が沈み込んで、何が起こっても気分が晴れないように感じましたか」(25.6%)、「神経過敏に感じましたか」(24.7%)、「そわそわ、落ち着かなく感じましたか」(21.4%)、「何をするのも骨折りだと感じましたか」(20.2%)で、いずれも2割台でした。[回答者数:4,285人]

神経過敏に感じましたか

絶望的だと感じましたか

そわそわ、落ち着かなく感じましたか

気分が沈み込んで、何が起こっても気分が
晴れないように感じましたか

何をするのも骨折りだと感じましたか

自分は価値のない人間だと感じましたか

【問19】希死念慮・自殺未遂

問19では、「生きる価値がないと感じた」、「死ねたら、と思った、または、自死の可能性を考えた」、「自殺について考えたり、自殺をほのめかす行動をとったりした」、「自殺を図った」の4項目について、これまでの経験の有無をたずねました。経験割合がもっとも多いのが「死ねたらと思った、自死の可能性を考えた」で20.4%、次いで多いのが「生きる価値がないと感じた」で、18.0%でした。[回答者数:4,285人]

【問19】希死念慮・自殺未遂(トランスジェンダーとの比較)

ここでは希死念慮、自死・自殺念慮、自死・自殺企図、自殺未遂経験の割合を、[シスジェンダー(自身の性別に違和感がない)・異性愛者]と[トランスジェンダー]との間で、比較します。「生きる価値がないと感じた」、「死ねたらと思った、または、自死の可能性を考えた」、「自殺について考えたり、ほのめかす行動をとったりした」、「自殺を図った」経験のある人の割合は、いずれも[トランスジェンダー]の方が多くなっています。「自殺を図った」経験については、[シスジェンダー・異性愛者]では1.5%でしたが、[トランスジェンダー]では15.6%でした。4項目すべてにおいて、[シスジェンダー・異性愛者]と[トランスジェンダー]の経験割合の間に統計的に有意な差も確認されました。

【問19】希死念慮・自殺未遂(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアルとの比較)

ここでは希死念慮、自死・自殺念慮、自死・自殺企図、自殺未遂経験の割合を、[シスジェンダー(自身の性別に違和感がない)・異性愛者]と「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル」との間で、比較します。「生きる価値がないと感じた」、「死ねたらと思った、または、自死の可能性を考えた」、「自殺について考えたり、ほのめかす行動をとったりした」、「自殺を図った」経験のある人の割合は、いずれも[シスジェンダー・異性愛者]より「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル」の方が高いことがわかりました。また4項目すべてにおいて、その差は統計的に有意であることが確認されました。

調査主体

厚生労働省 国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部 第2室長 釜野さおり 代表

「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(日本学術振興会 科学研究費助成事業)

 

〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル6F

http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/ 03-3595-2984

調査協力 大阪市