性のあり方

大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート

2019年11月に公表された単純集計結果の報告書をもとに、特に重要なものをこのウェブサイト用に抜粋し簡潔に紹介しています。設問をグループごとにまとめ、回答者の基本状況、心身の健康、性のあり方(SOGI)、経験、性についての考えの5つに分類しています。

性のあり方について

ここでは、性のあり方(SOGI)についてたずねた部分を、報告書版よりわかりやすく紹介しています。

具体的に、出生時の性別、現在の性自認、性的指向の認識、恋愛感情を抱く、性的に惹かれる、セックスの相手の性別、さらに周りに同性愛者や性別を変えた人がいるかもたずねています。

回答者の性のあり方についてここまで多角的にたずねる理由は、一般的に考えられているよりも、人の性のあり方が多様であることを明らかにする目的があります。「好き」といっても、それは「恋愛感情を抱く」ことなのか、「性的に惹かれる」ことなのか、人によって捉え方はさまざまであり、一般的なイメージよりも同じではないことを、具体的に数値で示すために設問を設定しています。

【問44】出生時の性別

問44では、出生時の戸籍・出生届の性別をたずねました。「男」が40.9%、「女」が58.7%、無回答が0.3%でした。[回答者数:4,285人]

【問45】性自認のあり方

性自認のあり方については、問45で、現在の自分の性別を、出生時の性別と同じだととらえているかを質問しました。問44で出生時の性別に回答した4,271人について、それぞれの選択肢(複数選択可)を選んだ割合をみると、「出生時の性別と同じ」は98.8%(4,219人)、「別の性別」は0.2%(10人)、「違和感がある」は0.6%(27人)、無回答は0.5%(22人)でした。

今の自分の性別を出生時の性別と同じととらえているか

違和感があるか

「別の性別」だととらえているか

別の性別と捉えているか・違和感があるか

【問45】自分の性別に違和感があるか(トランスジェンダーかどうか)

次に、問45で「別の性別」と「違和感がある」のいずれかあるいは両方を選んだ36人に、問45付問で、今の認識にもっとも近い性別をたずねました。その回答を出生時の性別で分けて人数を整理したのが、下記の表です。

出生時の性別が男で、現在の認識が「女」である人は6人、「その他」と回答した人は6人でした。これらの回答を[トランスジェンダー]とみなすと、出生時男性1,754人の中の[トランスジェンダー]割合は0.7%(12人)となります

出生時の性別が女で、現在の認識が「男」だと回答した人は4人、「その他」と回答した人は16人でした。これらの回答者を[トランスジェンダー]とみなすと、出生時女性2,517人の中の[トランスジェンダー]割合は0.8%(20人)となります。

【問46】性的指向

問46では、回答者の性的指向を、下の図に示した選択肢を用いてたずねました。「異性愛者」と回答した人がもっとも多く83.2%(3,567人)でした。「ゲイ・レズビアン・同性愛者」と回答した人は全体の0.7%(31人)、「バイセクシュアル・両性愛者」は1.4%(62人)、「アセクシュアル・無性愛者」は0.8%(33人)、「決めたくない・決めていない」は5.2%(222人)、「質問の意味がわからない」は7.5%(322人)、無回答は1.1%(48人)でした。

 

※「決めたくない・決めていない」の回答をした人の中には、自分がどこに当てはまるのか迷っている人、これらの分類に疑問を持つという立場をとる人、これまで自分の性的指向についてとくに考えたことがなかった異性愛者など、さまざまな人が含まれていると考えられます。そのため、すべての「決めたくない・決めていない」の回答を「性的マイノリティ」であるとみなすことが適切か否かについては、慎重な検討が必要だと考えています。今後の研究で、この点についても探る予定です。[回答者数:4,285人]

【問47】恋愛感情を抱く/性的に惹かれる/セックスの相手の性別

このアンケートでは、回答者のこれまでの「恋愛感情を抱く相手」、「性的に惹かれる相手」、「セックスの相手」の性別をたずねました。

男性

出生時男性では、「恋愛感情を抱く相手」および「性的に惹かれる相手」が、「男性のみ・ほとんどが男性・男性と女性同じくらい・ほとんどが女性」のいずれかである人の割合は5.1%、「セックスの相手」については、同割合は2.9%です。[回答者数:1,754人]

恋愛感情を抱く相手

性的に惹かれる相手

セックスの相手

女性

出生時の性別が女性の回答者について、「恋愛感情を抱く相手」、「性的に惹かれる相手」、「セックスの相手」をみると、「女性のみ、ほとんど女性、男性と女性同じくらい、ほとんど男性」のいずれかを選んだ人の割合は、「恋愛感情を抱く相手」と「性的に惹かれる相手」では7.4%、「セックスの相手」については2.7%です。[回答者数:2,517人]

恋愛感情を抱く相手

性的に惹かれる相手

セックスの相手

【問49】同性愛者が身近にいるか

問49では、同性愛者が「職場の同僚(過去も含む)や、近しい友人、親せきや家族にいるかをたずねています。「いる」と答えた人は16.5%、「いない」と答えた人は、34.6%でした。[回答者数:4,285人]

【問50】性別を変えた人が身近にいるか

問50では、「性別を変えた、あるいはそうしようと考えている人」が「職場の同僚(過去も含む)や、近しい友人、親せきや家族にいるかをたずねました。「いる」と答えた人は、7.4%、「いない」と答えた人は46.8%でした。[回答者数:4,285人]

調査主体

厚生労働省 国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部 第2室長 釜野さおり 代表

「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(日本学術振興会 科学研究費助成事業)

 

〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル6F

http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/ 03-3595-2984

調査協力 大阪市