基本属性

大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート

2019年11月に公表された単純集計結果の報告書をもとに、特に重要なものをこのウェブサイト用に抜粋し簡潔に紹介しています。設問をグループごとにまとめ、回答者の基本状況、心身の健康、性のあり方(SOGI)、経験、性についての考えの5つに分類しています。

基本属性について

最初に、アンケートへの回答者の方々の基本的な状況を紹介しています。

ウェブ版では、年齢、回答者の居住区、就業状況、(生まれと現在の)国籍、結婚と子どもの有無、学歴、収入についての結果を取り上げて示しています。

このアンケートでは、回答者の考えや性のあり方について多くたずねているため、回答しているのはどのような状況にある人びとなのかを知ることが欠かせません。そして、これらの設問は、回答者の社会的背景の1つ1つが、その後形作られる考えや性のあり方、もしくは経験と結びついているのかいないのかを確かめる目的で設定されています。

【問1】就業状況

問1で就業状況についてたずねたところ、「仕事を持ち、働いている」と答えた人は80.7%、「在職しているが、病気・育児などで休職中」と答えた人は2.1%、「仕事をしていない」と答えた人は14.9%でした。回答者の約8割が仕事を持っていることがわかります。[回答者数:4,285人]

【問2】就業形態

問2では、問1で「仕事を持ち、働いている」または「在職しているが、病気・育児などで休職中」と答えた人について、どのような働き方をしているかをたずねました。「正社員」と答えた人は56.5%でもっとも多く、「パート・アルバイト・臨時雇い」と答えた人は21.8%でした。また、「自営業者・自由業者」と答えた人は6.7%でした。[回答者数:3,549人]

【問38】世帯収入

問38で昨年1年間の世帯収入についてたずねたところ、「200~300万円未満」、「300~400万円未満」、「400〜500万円未満」、「500〜600万円未満」、「600~700万円未満」の割合がそれぞれ10%前後でした。

※世帯収入には、生計を共にしている人の分も合わせ、年金、給付金、家賃収入、配当金、仕送りなどが含まれます。[回答者数:4,285人]

【問29】現在の結婚の状況

問29では、結婚や離別経験についてたずねました。回答者の結婚の状況は、6割近く(58.0%)が現在結婚しており(「結婚している」)、3割強(32.1%)が「結婚したことがな」く、「離別した」人は8.5%でした。[回答者数:4,285人]

【問30】子どもの数

問30では子どもの数をたずねています。ここでたずねている子どもには、現在一緒に住んでいない子どもも含まれます。子どもの数は、全体では、「2人」が約4分の1(25.6%)、次いで「1人」が2割弱(17.1%)、「3人以上」が1割弱(9.7%)という分布になっています。これらを合わせて子どものいる人の割合とすると5割強(52.3%)となりますが、子どものいない人の割合も5割に近く(46.6%)、両者はいずれも5割前後です。[回答者数:4,285人]

【問32】最後に通った学校

問32では、回答者の「最後に通った学校」をたずねています。全体では「高校」までがおよそ3割(「小・中学校」1.6%、「高校」27.7%)、「専門・専修学校・短大・高専」も約3割(29.8%)で、「大学・大学院」が約4割(40.3%)です。[回答者数:4,285人]

【問54】居住区

問54でたずねた、調査時点での回答者の居住地(大阪市内の行政区、大阪市外)をみると、割合が高いのは「淀川区」の7.3%で、「城東区」の6.8%、「東淀川区」の6.2%と続きます。「大阪市外」の回答者がいるのは、調査対象者の抽出が2018年10月1日時点での住民基本台帳に基づいているため、調査時の2019年1〜2月においては市外に転居していた場合もあったからです。[回答者数:4,285人]

【問26】生まれた国

問26では、回答者の生まれた国をたずねました。日本生まれの人が97.3%、日本以外の国・地域で生まれた人は2.5%でした。日本以外の国・地域の内訳は、中国、韓国・朝鮮が多数で、このほか、ベトナム、台湾、フィリピン、アメリカ、インドネシア、イギリス、マレーシア、香港等が挙げられました。[回答者数:4,285人]

【問34】現在の国籍

問34では、現在の国籍をたずねています。回答者の現在の国籍は、ほとんど(96.8%)が日本で、日本以外の国籍をもっている回答者は3%程度(2.9%)です。日本以外の国・地域の内訳は、多い順から、韓国・朝鮮、中国のほか、ベトナム、台湾、フィリピン、インドネシア、イギリス等でした。[回答者数:4,285人]

【問44】出生時の性別

問44では、出生時の戸籍・出生届の性別をたずねました。「男」が40.9%、「女」が58.7%、無回答が0.3%でした。[回答者数:4,285人]

【問45】性自認のあり方

性自認のあり方については、問45で、現在の自分の性別を、出生時の性別と同じだととらえているかを質問しました。問44で出生時の性別に回答した4,271人について、それぞれの選択肢(複数選択可)を選んだ割合をみると、「出生時の性別と同じ」は98.8%(4,219人)、「別の性別」は0.2%(10人)、「違和感がある」は0.6%(27人)、無回答は0.5%(22人)でした。

今の自分の性別を出生時の性別と同じととらえているか

違和感があるか

「別の性別」だととらえているか

別の性別と捉えているか・違和感があるか

【問45】自分の性別に違和感があるか(トランスジェンダーかどうか)

次に、問45で「別の性別」と「違和感がある」のいずれかあるいは両方を選んだ36人に、問45付問で、今の認識にもっとも近い性別をたずねました。その回答を出生時の性別で分けて人数を整理したのが、下表です。

出生時の性別が男で、現在の認識が「女」である人は6人、「その他」と回答した人は6人でした。これらの回答を[トランスジェンダー]とみなすと、出生時男性1,754人の中の[トランスジェンダー]割合は0.7%(12人)となります。

出生時の性別が女で、現在の認識が「男」だと回答した人は4人、「その他」と回答した人は16人でした。これらの回答者を[トランスジェンダー]とみなすと、出生時女性2,517人の中の[トランスジェンダー]割合は0.8%(20人)となります。

【問46】性的指向

問46では、回答者の性的指向を、下の図に示した選択肢を用いてたずねました。「異性愛者」と回答した人がもっとも多く83.2%(3,567人)でした。「ゲイ・レズビアン・同性愛者」と回答した人は全体の0.7%(31人)、「バイセクシュアル・両性愛者」は1.4%(62人)、「アセクシュアル・無性愛者」は0.8%(33人)、「決めたくない・決めていない」は5.2%(222人)、「質問の意味がわからない」は7.5%(322人)、無回答は1.1%(48人)でした。

 

※「決めたくない・決めていない」の回答をした人の中には、自分がどこに当てはまるのか迷っている人、これらの分類に疑問を持つという立場をとる人、これまで自分の性的指向についてとくに考えたことがなかった異性愛者など、さまざまな人が含まれていると考えられます。そのため、すべての「決めたくない・決めていない」の回答を「性的マイノリティ」であるとみなすことが適切か否かについては、慎重な検討が必要だと考えています。今後の研究で、この点についても探る予定です。[回答者数:4,285人]

【問47】恋愛感情を抱く/性的に惹かれる/セックスの相手の性別

このアンケートでは、回答者のこれまでの「恋愛感情を抱く相手」、「性的に惹かれる相手」、「セックスの相手」の性別をたずねました。

男性

出生時男性では、「恋愛感情を抱く相手」および「性的に惹かれる相手」が、「男性のみ・ほとんどが男性・男性と女性同じくらい・ほとんどが女性」のいずれかである人の割合は5.1%、「セックスの相手」については、同割合は2.9%です。[回答者数:1,754人]

恋愛感情を抱く相手

性的に惹かれる相手

セックスの相手

女性

出生時の性別が女性の回答者について、「恋愛感情を抱く相手」、「性的に惹かれる相手」、「セックスの相手」をみると、「女性のみ、ほとんど女性、男性と女性同じくらい、ほとんど男性」のいずれかを選んだ人の割合は、「恋愛感情を抱く相手」と「性的に惹かれる相手」では7.4%、「セックスの相手」については2.7%です。[回答者数:2,517人]

恋愛感情を抱く相手

性的に惹かれる相手

セックスの相手

調査主体

厚生労働省 国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部 第2室長 釜野さおり 代表

「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(日本学術振興会 科学研究費助成事業)

 

〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル6F

http://www.ipss.go.jp/projects/j/SOGI/ 03-3595-2984

調査協力 大阪市